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2024.05.01

生活動線を考慮した、気持ちよく、楽しく暮らせる「家」のポイントとは

1.気持ちよく楽しく暮らす「家」の考え方

家を建てようと思った時に、どのような「家」が欲しいのか、夢がいっぱい膨らんできます。

その夢の実現に向けて、私ども設計事務所に依頼がきます。

ご家族がどのような「家」をイメージされているか、どのような要望があるのか、些細なことも含め全てをお聞きして知り尽くすところからの出発です。

 

「家」を設計するということは、形だけの問題ではなく、生活の設計をするのです。

ご家族がどのような生活をしていらっしゃるのか、それをより気持ちよくするにはどのようなことが必要か。

どのような要望があるか、こだわりはどこにあるか。

強いこだわりをもっていらっしゃるからこそ設計事務所へ来られると感じています。

 

設計は基本設計からスタート。まずは間取り(プラン)作り。

順番があるわけではなく、聞き取った情報を頭の中でアチコチつなげたり、離したりしながら形にしていきます。想像力をフル回転いたします。

 

2.家族の生活に基づいた間取りのプランニング

情報のポイントとしていくつかの項目に分けるとすれば

①ご家族それぞれの生活行動、動線、ニーズ

・家事動線のスムーズさ、

朝、夕の忙しさでスムーズな生活動線は重要なポイントでしょう。

+αの洗濯なども考慮すれば、水廻りとのつながりも考慮すべきかもしれません。

物干まで考えると動線も複雑化。

・各自の生活スタイルから生じる生活動線

起床から出かけるまで。帰宅から就寝まで。

大人、子ども、社会人、学生、主婦、立場に応じて様々。スムーズに且つ安全に。

各家庭で生活のありようは違ってくるので、とても説明しきれませんが、ご家族に合わせて考えます。

②立地条件、予算etcを含め、要望を考慮しながらの各部屋のつながりとスペース配分

・LDKのありかた、プライベート空間との関連性。

私の目指す楽しい暮らしは、家の中で家族の空気、気配を感じられるということを重要視しています。

動線の効率だけを考えれば無駄なく動くことですが、あえて無駄な動き、空間の中にも楽しさが生まれると感じています。

例えば1階にLDKがあれば、2階に上がるのにLDKを通るようにする。

帰ってきて玄関からすぐに階段を上がって2階に行ってしまうのでは、気配がわからない。

必ずLDKを通ることで、言葉を交わさなくても気配は感じる。

おそらく誰が通ったかはチラッとでもわかるでしょうし、「おはよう」「おやすみ」「お帰り」など の挨拶ぐらいはするでしょう。

無視したくても、イヤでもつながってしまう強引さも必要と思っています。

2階にLDKがあれば1階の玄関、廊下、階段とのつながりのある吹抜けなどを考えてみます。

その空間は少し無駄かもしれません。しかしその空間が気持ちよさ、楽しさにつながっていくと考えています。

玄関からすぐに1階の個室に入っても、帰ってきたことは感じられる。

少し大きな声をかければ、挨拶ぐらいはできると思います。

気配を感じることだけでもつながりを感じ、楽しさが増えるのではないでしょうか。

このような考え方は私のコンセプトの重要なポイントです。

・各個室と水廻り空間(浴室・洗面室・WC)とのつながり

近くて動線が短いほうが使いやすいですが、全体面積での各室のスペース配分やつながりを考慮しながら決めていきます。

・各室の収納は考えますが、余裕があれば納戸などの収納も考慮します。

3.生活動線、設計コンセプトを考慮した間取り・アイデアの実例

①LDKを必ず通る

1階 親世帯・2階 子世帯の2世帯住宅なので玄関は両方とも別ですが1階にあります。

子世帯を例とします。

1階玄関→下足室、階段室→2階LDK→主寝室、洗面室、ユーティリティ、浴室、WC、

LDK→廻り階段→3階子ども室、ロフト

生活の中心はLDK。

起床、洗面でもLDKを通る(主寝室からは直接行けますが・・子どもを通すことが目的)

食事後、学校、職場へ出かけるにもLDKを通る。

帰宅からは食事、団欒、入浴、就寝まで先ほどの逆順でLDKを通ります。

生活動線の中に何度もLDKが入ってきます。

無駄かもしれないですが、楽しく、ステキな動線だと思っています。

②楽しさの要素

楽しさという感じ方はいろいろあると思います。

見る楽しさ、動きの中の楽しさ。ここでは廻り階段として提案しました。

使いにくいというデメリットはありますが、空間の中のオブジェ、楽しさというメリットを優先しました。

③2世帯間のつながりを増やす

世帯同士の出会いが増えるようにプランニングしました。

それぞれの玄関から直接外へつながるのではなく、玄関からトンネルのような通路(路地)を通って道路へ出るようになっています。

祖父、祖母、孫が思わず出会うこともあるでしょう。楽しさが増えます。

この空間も異空間のような不思議さ、楽しさを表現しました。

④各空間が吹抜けetcでつながる

2階がDKとLになっています。

玄関から廊下の上が吹抜けになっており、それが2階のDK横につながっています。

玄関の動き、気配を感じられるようになっています。

そのまま廊下から個室に入っても廊下の上が吹抜けになっており、2階のLDKにつながっています。

DKとLが階段室で分けられる形ですが、筋違いのみ見せて、空間としてはつながるようにできています。どこにいても何かの動き、気配を感じるプランです。

割とコンパクトなお家ですが、空間をつなげていくようにすることで、同じ面積でも広く感じることができます。

4まとめ(生活動線を考慮した、気持ちよく、楽しく暮らせる「家」のポイント)

①十分な話し合いでの情報の共有、理解、合意。

たくさんの要望を整理しておくこと。

予算etc制約で要望全てが叶わないこともあるかもしれません。

ご家族の中で食い違う意見があるかもしれません。

きちんとまとめておくことで気持ちが整理できてくると思います。

絶対譲れないこだわりもはっきりさせておくことが大切と思います。

②ご家族の快適な暮らしの実現に、要望+αを設計のプロとして提案いたします。

何が提案できるかはケースバイケース。豊かさ、楽しさ、面白さ、意外さ、ゆとり・・・・・

 

このように複雑にからまった情報の整理から間取り(プラン)を作り上げます。

プラン作りを行いながら、プランという平面だけでなく、窓の位置、大きさ、吹抜け、斜め天井

気持ちよさ、楽しさを立体にイメージして空間全体で表現します。

色、材質も重要な要素です。

 

「家」という夢が形になって、実現に向けて進んでいきます。

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